相続不動産を売却したら税金はどうなる?
公開日:2021年04月17日
今回のコラムでは相続した不動産を売却したときにかかる税金と
節税対策についてお伝えいたします。
相続した不動産を売却するときにかかる税金は5つあります。
■登録免許税
■印紙税
■譲渡所得税
■住民税
■復興特別所得税
そして、確定申告で利用できる節税対策は3つあります。
■相続財産を売却したときの取得費の特例
■相続した空き家を売却したときの3,000万円控除
■マイホームを売却したときの3,000万円控除
ひとつずつ、詳しくみていきましょう!
登録免許税
登録免許税とは、相続登記を行う際にかかる税金です。
相続登記とは、相続した不動産の所有権を相続人へ変更する手続きのことです。
税率は国税局にて定められており、不動産価格の0.4%となります。
詳しくはこちらをご確認ください→https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm
※補足※相続による土地の所有権の移転登記について一部のケースでは登録免許税の免税措置が設けられています。
詳しくはこちらをご確認ください→http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html
印紙税
印紙税とは、経済取引で作成する文書に対して課税される税金で、税額は売買代金に応じて金額が異なります。
課税される文書には契約書、領収書、手形などがあり、不動産売買の際に交わす売買契約書も印紙税の課税対象です。
令和4年3月31日までの間に作成される不動産売買契約書は軽減措置で税額が低くなります。
詳しくはこちらをご確認ください→https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm
譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課税される所得税です。
所得税の税率は、その不動産の所有期間によって異なります。
※所有期間は売却した年の1月1日時点での所有期間
※相続の場合は被相続人がその不動産を取得した日から所有期間となります。
短期譲渡所得 所有期間:5年以下 税率:譲渡所得の30%
長期譲渡所得 所有期間:5年超 税率:譲渡所得の15%
《譲渡所得の計算方法》
譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)
「譲渡所得」…課税対象となる金額
「譲渡収入金額」…売却して得たお金 〇売買代金
「取得費」…不動産の取得にかかったお金 〇購入時の金額・手数料 〇登録免許税
「譲渡費用」…不動産を売るためにかかったお金 〇仲介手数料 〇印紙税
★ポイント★
実際の不動産売買では、特例や控除を適用すれば譲渡所得がプラスにならないケースや、
取得費を下回る金額でしか売却できず利益が出ないケースもございます。
実際に譲渡所得に利益が出ない場合は譲渡所得税は発生しません。
住民税
住民税は不動産の所有期間によって変わります。
※所有期間は売却した年の1月1日時点での所有期間
短期譲渡所得 所有期間:5年以下 税率:譲渡所得の9%
長期譲渡所得 所有期間:5年超 税率:譲渡所得の5%
復興特別所得税
復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興に必要な財源の確保をするための税金で
令和19年まで所得税の税率に2.1%が加算されます。
税率は譲渡所得の0.63%または0.315%です。
短期譲渡所得 所有期間:5年以下
税率:所得税の税率30%×2.1%=0.63%
長期譲渡所得 所有期間:5年超
税率:所得税の税率15%×2.1%=0.315%
※所有期間は売却した年の1月1日時点での所有期間